『ねこまど将棋夏まつり2023』イベントレポート
以前は各地のデパートで行われていた将棋イベントは、コロナ禍ですっかり途絶えてしまいました。大人になって将棋に興味を持った私は辛うじて2〜3回足を運ぶ機会がありましたが、新しい将棋ファンの方にとって夏の将棋まつりは、歴史の出来事になっているかもしれません。
今は途絶えようとしている将棋まつりを、ねこまどでは昨年から開催しています。なんと、今年の開催期間は3日間とパワーアップしました! 北尾まどか先生をはじめ、スタッフ、参加者の皆様一丸となって楽しむイベントに参加したレポートをお届けします。
〜1日目〜
初日はねこまど杯女子団体戦が行われました。
級位者戦とオープン戦に分かれ、年齢関係なく盤に向き合う姿は、華やかな中にも勝負師の顔が伺えます。
ゲスト棋士の中村太地八段、高橋和女流三段、中倉宏美女流二段を交えたトークショーもあり、賑やかな一日でした。
〜2日目〜
午前中は将棋大会があり、オープン戦、級位者大会、免状獲得戦が開催されました。将棋を指す対局者の表情は、眼光鋭くみんな良い顔をしています。感想戦に入る瞬間、少しほっとした表情を浮かべるのが印象的でした。
午後はねこまど将棋教室の講師でもある金子タカシ先生の必死道場が開催されました。
「おまつりに参加するつもりで一番に申し込んだら、登壇の依頼もきたよ」と笑いながらお話されていましたが、最新作『ロジカルな必死』が大好評な金子先生の講座は、皆さんが気になるところでしょう。
壇上ではテキパキと必死の説明(なぜ金子先生が「必至」ではなく「必死」を書くかは、本書14ページを読んでみましょう)のあとは、出演棋士の青嶋未来六段、斎藤明日斗五段、野原未蘭女流初段が登壇し、必死問題の早解きが開催されました。
青嶋六段「去年に続いて二回目の出演です。皆さんと一緒にイベントを楽しもうと思います。必死問題の早解きをしたことがないから、新鮮です」
斎藤五段「ねこまど将棋まつりは初めてですが、大盛況ですね。詰将棋ばかりで必死は最近解いていないのですが、青嶋さんが終盤派だから一緒に解くのが楽しみです」
野原女流初段「初めてねこまど将棋まつりに参加しました。棋士の先生方と早解き問題はハンデがあると聞いていますが、楽しみです」
棋士は脳内で解くので盤面を見ずに、野原女流初段は盤面を見ながら早解きは開始しました。第一問はあっという間に野原女流初段が解答。あまりのスピードに「やばいかもしれない」と斎藤五段が思わず漏らし、会場が笑いで包まれました。その後は青嶋六段、斎藤五段も目を瞑りながら次々と解き、会場中も「おお〜」とどよめく場面もありました。
最終問題は難問で、三人とも黙ります。金子先生がヒントを出しても「いや〜」と呻く三人。最終的に金子先生が解答を伝えると、三人の表情がぱっと明るくなりました。
野原女流初段「綺麗です」
青嶋六段「解いて頭がスッキリする問題です」
頭を悩ませるような必死問題の美しさの深淵が、観客にも伝わってきました。
第二コーナーはオープン戦決勝の大盤解説を鈴木大介九段が解説しました。髪型を一新し、金のメッシュが入ってお洒落です。
鈴木九段「自分が将棋界にいない間に、角道を開けない村田システムが流行っていますね」
野原女流初段「先生はまだ将棋界にいらっしゃいますよ」
鈴木九段の軽快なトークが続きます。両対局者とも実力があり「プロ公式戦でもありそうな局面」「レベルが高い」と評されていました。
引き続き、鈴木九段の質問コーナーが始まりました。
鈴木九段は将棋連盟の常務理事の任期を六年間終えた後、麻雀プロとの二刀流を宣言されてYouTubeでの活動も開始されました。色んな質問に回答されますが、明るい受け答えからも真面目な一面が伺えました。
「理事になる前は、棋士は将棋に全てを注ぎ込むのが良いと思っていました。もちろん、そういう生き方もいいと思いますが、YouTubeをやったり棋士として仕事をとってくる人というのも凄いと思いました。50歳近くなって、色々考え方も変わりました」
理事を辞めてからスーツではなく、ジャケットで対局をされているそうです。今の時代に合わせて、柔軟な対応をしていきたいという有言実行と行動力に感心させられます。
また、将棋の新名所『駒テラス』も、二年がかりで準備した事業だとおっしゃっていました。渋谷区との地域活性化の場として、将棋ファンの憩いの場として出来上がりましたが、沢山の方に訪れて欲しいとのことでした。また、Mリーグでは全国でアンテナショップが運営されているそうですが、将来の夢としては将棋でも全国にそういうのが出来れば、とのことでした。最後に抱負を尋ねられると「麻雀はルーキーなので応援お願いします」と話されていましたが、将棋でも麻雀でも鈴木九段の活躍が楽しみです。
最後はメインイベント「読み筋披露!席上対局」です。お互いの読み筋を披露しながら5分10秒で指すという、非常にアグレッシブな対局です。昨年度より放送カメラもバージョンアップし、YouTube中継でもより楽しめるようになっていました。
鈴木九段「麻雀界代表として、将棋のプロに将棋を教わりたいと思います」
斎藤五段「トークでは負けるので、将棋では頑張りたいです」
解説と聞き手に青嶋六段と野原女流初段がスタンバイしましたが、お二人のトークで解説要らずでは?という疑問符もあがるほど、読み筋だけでは止まらない会話の数々です。お二人は研究を一緒にやっていた仲だそうで、読み筋披露と言いながら手の内をさらしていても、本当か嘘かわからないという、絶妙な心理戦もあり、駒がぶつかるに連れて席上も賑やかになりました。
対局は鈴木九段が勝ち、それまで笑っていた斎藤五段が投了する瞬間にぐっと歯を噛み締めたのが見て取れたのが印象に残りました。そこからはトークでも追い打ちをかける鈴木九段に「将棋で負けたのですから、許してくださいよ!」と音を上げて、楽しい2日目も幕を閉じました。
〜3日目〜
午前中はこども将棋大会、午後はイベントが開催されました。最終日ということもあり、森内俊之九段、先崎学九段、深浦康市九段、戸辺誠七段、瀬川晶司六段、脇田菜々子女流初段、佐々木海法女流1級と錚々たるメンバーが出演されました。
どの先生方も「昔は将棋まつりが多かったが、今は少なくなってしまったので、こうしてねこまどで行われるのは嬉しい」と口々におっしゃっていました。
昨日に引き続き「読み筋披露!席上対局」が行われましたが、対局者の深浦九段と戸辺七段に、解説の先崎九段との絶妙なやり取りが会場中から笑いを誘います。脇田女流初段も先輩方に臆することなく、聞き手として将棋の手と話を広げていきます。
深浦九段「この将棋、この間の順位戦に似ていない?」
先崎九段「急に不穏な事を言っていますね」
脇田女流初段の推奨の一手が採択されて激しい将棋になり、戸辺七段の代名詞「戸辺攻め」を期待されたり、賑やかに話ながら盤面は進んでいきます。秒読みの場面になると記録係が深浦九段の弟子の齊藤三段だったこともあり「秒読みはゆっくりでいいからね!」と師匠に言われると、齊藤三段もわかりやすくゆっくりとした読み上げをしたことで、会場中も思わず笑い声が洩れました。
戸辺七段「実は二対一だった?!読み上げが歌舞伎みたいにゆっくりなんですけど」
先崎九段「同情はするけど頑張って」
色々な駆け引きもありましたが、戸辺七段の勝利!お喋りも面白く、将棋の内容も濃く盛り上がりました。
2つ目のイベントでは、?シルバースタージャパンで販売されているSwitchソフト「みんなのどうぶつしょうぎ」と「リアルタイムバトル将棋」を脇田女流初段と佐々木女流1級がプレイされました。お二人とも白瀧呉服店の浴衣を身にまとっています。佐々木女流1級は、先日の白瀧あゆみ杯の準優勝の賞品ということもあり、涼やかな白を基調として浴衣はお似合いでした。
「どうぶつしょうぎ」は北尾まどか女流二段がルールを考案し、藤田麻衣子女流1級がデザインした3×4マスのボードゲームです。ルールは知っているというお二人がプレイしましたが、どうぶつしょうぎとしては長手数の熱戦となり、最後は鮮やかな捨てキリンからのトライで佐々木女流1級が勝ちました。どうぶつしょうぎの存在は知っていても、プレイをしたことがない本将棋プレイヤーの将棋ファンの観客も、単純だけど奥深いゲーム性に見入られていました。
次に行われた「リアルタイムバトル将棋」は将棋の手番の概念を無くし、ターン制で相手を詰ますという斬新な将棋です。いつもの将棋とは全く違う動きに、普段はゲームをしないと思われる佐々木女流1級が翻弄され、脇田女流初段が勝ちました。ご自分で着付けされたという浴衣姿の瀬川六段が登壇され、佐々木女流1級と交代して挑むも惜しくも敗戦。普段の将棋イベントは違う面白さに、席上の先生方も参加者も歓声をあげていました。
森内九段の質問コーナーは、先生の多彩なボードゲームへの興味についてや、藤井七冠に勝つ方法など踏み込んだ質問についても、答えてくださいました。また、サプライズ質問で野原女流初段のビデオレターがあり、森内九段も驚きながらも真摯に質問に答えていらっしゃいました。野原女流初段とのエピソードの質問には「弟子へとお願いされたのは強烈に覚えています」とおっしゃっていました。自分が直接教えた事のある子どもではなかったそうですが、お手紙が届いたので驚いたそうです。将棋を見て見たら、とてもしっかりした内容だったので、弟子にされたそうです。
なんとも素敵なエピソードで、森内九段と野原女流初段との絆に聞いている人々も穏やかな気持ちになりました。
また、将棋ファンも注目しているYouTube森内チャンネルを始めたきっかけについて問われると「コロナがきっかけでファンの人と交流するため」とおっしゃっていました。森内九段の印象に残っている対局を聞かれると、ご自身の対局ではなく、同世代の佐藤康光九段と谷川永世十七世名人の名人戦を答えるなど、奥ゆかしいところも森内九段らしさが感じられるトークショーでした。
メインイベントは「チーム対抗リレー将棋」でした。三対三で序盤、中盤、終盤に分かれて指し継ぐという珍しい将棋でしたが、じゃんけんで順番を決めて和気藹々と始まりました。
その後は舌戦繰り出し両チームとも熱い対局が続きます。佐々木女流1級は初めて関東のイベントに参加されたとあって、関東の印象について問われる場面もありました。振り飛車対居飛車の対抗型でしたが、最後は全員盤面に集中して声が出なくなる熱戦となり、居飛車を指した先崎チームの勝利となりました。
どのイベントもどの大会も、賞品が用意され、抽選会やじゃんけん大会など、どの参加者も楽しめるような工夫がされていました。イベントや大会以外にも、指導対局会やサイン会、突発的な大会も開催されます。企業ブースでは色々な展示もされ、3日間観る、指す楽しめる将棋まつりとなりました。
「できれば第3回もやりたい」という北尾まどか女流二段の言葉を信じ、次回も参加者として全力で楽しんでいこうと思います!
(文・カル 撮影・直江雨続)
〜もっと見たい方はコチラ〜
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2023年7月17日(月祝)第20回白瀧文化祭 【棋士と和服】
伊藤匠六段(当時)・斎藤明日斗五段・室谷由紀女流三段 トークショー「はじめての和服」レポート
海の日にふさわしい晴天の下、白瀧呉服店で宮田門下の伊藤匠六段と斎藤明日斗五段に加え、室谷由紀女流三段の三名によるトークショーが開催されました。
会場は2日前まで白瀧あゆみ杯の予選が行われていた大広間で、華やかな着物と細やかな刺繍が施された帯が対になって飾られています。姫君の支度部屋のような室内に最初に現れたのは、袴姿の室谷女流三段でした。
さらに伊藤六段と斎藤五段が、かなり緊張した面持ちで登場しましたが、会話が進むごとに表情が緩んでくるのが印象的でした。
・和服を着た感想
斎藤五段「思ったよりも涼しいです。お腹の締め付けも心地よく感じられます」
伊藤六段「自分も涼しいと感じました。お腹が気になりますが、今後慣れていけたらいいと思います」
室谷女流三段「今まで着物を着る機会はありましたか?」
斎藤五段「七五三などでは着たのかもしれませんが、成人式もスーツで参加したので、記憶にある限りでは初めてです」
伊藤六段「自分も七五三と小学生の頃のJT杯決勝ぐらいです」
斎藤五段「JT杯の和服は子ども心でも目標でした。決勝の舞台を憧れの気持ちで眺めていました」
JT杯の話題で会場の参加者は一斉に頷きましたので、現地で観戦した方もいるのかもしれません。お二人の雰囲気で白瀧さんが和服を選んで着付けて下さったそうですが、白く華やかな斎藤五段と黒く落ち着いた伊藤六段の和服姿は対称的でもあり、よく似合っています。室谷女流三段は普段のクールでオフィスカジュアルな洋服姿と違い、アップに結われたかんざし姿は可愛らしく壇上で映えました。
・サプライズ
なんと、トークショー当日は斎藤五段の誕生日!参加者全員でハッピーバースデーを歌いました。斎藤五段は照れくさそうな笑顔を浮かべました。
室谷女流三段「初めて会ったときは高校生だったのに、大きくなって信じられません」
将棋連盟のフットサル部でお会いしたそうです。
斎藤五段「25歳はもっと大人になっていると思っていました」
感慨深そうに語る斎藤五段。弟弟子の伊藤六段は二十歳、二十歳になってお酒を飲んだりしているかと室谷女流三段に尋ねられると、はにかみながら答えます。
伊藤六段「宮田先生から25歳までは酒とギャンブルは厳禁だと言われています」
斎藤五段「では、これから解禁という事で(笑)」
奨励会に入った時から将棋のことは言われなかったそうですが、生活態度のことは厳しく注意されたそうです。
斎藤五段「LINEで師匠からよく連絡が来るんですよ、信用されていない(笑)」
伊藤六段「自分は言われた事ないです」
えーっ!と声を上げる斎藤五段。会場は笑いに包まれました。
・宮田門下
表情豊かな斎藤五段と慎重に一つ一つ言葉を選ぶ伊藤六段。宮田一門はどんな関係なのかも答えてくださいました。宮田一門でプロになった棋士は、お二人の他に本田奎六段がいます。
斎藤五段「師匠がウォーキングが好きで、駒沢公園などでウォーキングしようと弟子が集まる機会を作ってくれます」
伊藤六段「自分が奨励会に入った時に研究会に誘ってもらったのですが、お二人とは入った当時は差があったので、色々教わって嬉しかったです」
室谷女流三段「本田先生が棋王戦挑戦をされた時はどう思いましたか?みんなで応援したりしましたか」
斎藤五段「本田さんがタイトル挑戦をした時は、正直複雑でした。本田さんより一年早くプロになったのに、俺は何をやっていたんだろうって……渡辺先生とのタイトル戦は辛かったです。最後まで見られなくて、応援できませんでした」
それまで朗らかだった斎藤五段からは思いもつかないような悔しさがにじみ出てきたのには驚きました。それにつられるように、伊藤六段も続きました。
伊藤六段「藤井聡太先生もですが、今の自分とでは差があります。自分が教わる人が強くなると悔しい」
斎藤五段「(伊藤六段が)こんな風に思っていたとは思わなかった。もっと色んな感情の部分を出してほしい」
仲が良い一門でも、勝負のことになると熱い本音が見えてきたのが新鮮でした。品行方正な若手棋士から普段見られないような剥き出しの感情が伺えるのが、リアルなイベントの醍醐味です。
今期は順位戦で兄弟弟子対局も行われるお二人に対して、意気込みを聞かれると何とも困ったような表情を斎藤五段は浮かべました。
斎藤五段「強いから当たりたくなかったです」
素直な一言に会場内でも笑みがこぼれます。
伊藤六段「居飛車党なのに振り飛車を指すから……」
斎藤五段「長時間指すので、力を出させないように避ける作戦です!」
同門対局が組まれると、対局日が近くなると避けるようになる……たとえ仲の良い兄弟弟子でも、対局に対して一線を画す姿勢が伺えました。
・伝説の食レポ再び
白瀧文化祭では津田塾大学梅プロジェクトも企画・協力をしており、トークショーには津田塾大学の学生も参加しています。先生方の前には緑茶とともにチーズケーキ、どら焼き、生麩菓子が置かれ、食レポが始まりました。
斎藤五段「先手番どうぞ」
兄弟子に促され、伊藤六段が抹茶どら焼きを口に運びました。
二人には、緑茶より苦い思い出が食レポにはあるようでした。
「以前、番組でおやつを出された時に言葉が出なくて、二人でひたすら無言で食べていたんです」
しかし今回は両先生とも「抹茶とあんこが美味しい」「卵の甘味がする」と、ちゃんと食レポを完遂しました!
最後に室谷女流三段が生麩菓子の食レポを完璧に仕上げ、テーマは『食べたいおやつ』になりました。
棋士がおやつを食べる時、それはタイトル戦です。
斎藤五段「豊島先生みたいに、フルーツの盛り合わせを食べてみたい!」
室谷女流三段「私も食べてみたくて、タイトル戦でフルーツを頼んだ事があります」
この三人でタイトル挑戦をしたことがあるのは室谷女流三段。タイトル戦で憧れのおやつがあるとは驚きでした。
伊藤六段が「……チーズケーキが好きです」と答えると斎藤五段は「半分あげるよ!」と慌てて言い返し、爆笑の渦に包まれます。ちなみに伊藤六段は普段の対局もチョコやフリスクなど全く食べないそうで、ストイックな姿勢に感心しました。
・トークショー
将棋ワーキンググループから学生ならではの視点の質問が続く中、何故この企画に参加したのか?という問いに伊藤六段が答えました。
伊藤六段「普段はトークショーとか苦手なんですが、兄弟子が一緒なので」
斎藤五段「俺が出来るならやれるってこと?」
伊藤六段「いや、まあ……」
正しく意図を伝えようと言葉に窮する伊藤六段と、反応を楽しむような斎藤五段から、気の置けない関係が感じられます。そして斎藤五段も問いに答えました。
斎藤五段「タイトル戦で着る前に、和服を着る体験をしたかったです」
背筋を正して答える姿に、棋士にとって和服とはタイトル戦の象徴なのだと改めて感じられました。そして自分も、いつか着るのだという意気込みも。
伊藤六段「和服はテンションが上がります」
タイトル戦の記録係で和服姿の対局者を目の前にすると、やはり憧れたそうです。言葉の端々から、和服に対する特別な感情が見て取れました。
・盤を前にすれば緊張しない
「緊張した対局はありますか?」という質問に、二人の答えは「NO」でした。斎藤五段は「圧倒的な差を感じてしまった」と言葉を漏らした羽生九段との対局も、対局前はオーラで圧倒されても、対局が始まれば盤上に集中したと言います。
斎藤五段「団体戦は緊張しますよ、自分の対局でチームの結果が変わりますから」
伊藤六段「自分も将棋では緊張しません。でも、ABEMAトーナメントで藤井さんに選んでもらったときは、対局の前の夜は眠れませんでした」
室谷女流三段「対局前日は眠れますか?」
眠れる伊藤六段と、眠れない斎藤五段。盤に向かうまでは人によって色々違うようで、それもまた人となりが表れているようでした。
・事前質問
参加者から募集した質問の中で「自分の将棋の見どころ」というのがありました。
斎藤五段「積極的な手や派手な手が好きなので、そういう指し手を見てもらいたいと思います」
伊藤六段「玉が薄くて、際どく凌ぐ展開でハラハラして欲しいと思います」
また、お互いの将棋をどう思うかという問いにも、お二人は答えます。
斎藤五段「精密でAI的な手だよね。受け将棋」
伊藤六段「(斎藤五段の手は)独特な手が多い」
なかなかプロの将棋の理解に棋力が追いつかない人にとっても、将棋の見方を教えていただけるのは、今後の将棋観戦でも注目箇所が分かりやすいと思いました。
先日の棋聖戦第五局がベトナムのダナンだったことから「どんなところで海外対局をやってみたいか」という質問がありました。三人とも中継をご覧になっていたようで「楽しそうだった」と口々に羨ましさをにじませていました。
斎藤五段「フィンランドでやりたい」
室谷女流三段「わかりました、サウナですね!」
室谷女流三段は三回フィンランドに行ったことがあるということで、斎藤五段は心底「いいなー!」と口にしていました。『棋士とサウナ』という企画も出来上がってしまいそうな熱量です。
伊藤六段「奨励会に入る直前でベラルーシで行われたヨーロッパの将棋大会に行ったことがあります。ヨーロッパの将棋熱に触れた貴重な体験だったので、ヨーロッパ対局があったらいいと思います」
もし開催されたら凱旋帰国になります。今後、将棋が日本文化の架け橋として海外対局が増えたら良いと思われる瞬間でした。
「藤井七冠を止めるのは誰でしょうか」という質問にはお二人とも「いやー!」と苦笑交じりになります。
斎藤五段「この中にいて欲しいです」
伊藤六段はじっと考えていました。
言い淀んでしまうほど、対局相手としての藤井七冠の壁は高いのが伝わってきます。それでも、会場の参加者の期待に応えたい、誠実な人柄が伺えました。
・模擬対局
トークショー後には模擬対局が行われました。和服を着ての対局は、お二人は勿論初めてです。会場の雰囲気は和やかな雰囲気とは一変し、空気は緊張をはらんできました。
室谷女流三段に和服を着ながらの対局はどう感じるか尋ねられると、袖の具合など気になるかと思っていたそうですが、想像より「指しやすい」と応えました。
先手は伊藤六段になり、そっと静かに初手を指します。斎藤五段はすぐ駒に手を触れず、目を閉じて呼吸を溜めて、思いを込めて初手を指します。淡々と指す伊藤六段と、前後に揺れながら読みを入れて指す斎藤五段。やはり対局姿もお二人の個性が出ています。
時間の都合上、対局は途中で指し分けとなりましたが、和服で指した後ではこみ上げるものがあったのかもしれません。「棋士と和服」イベントの感想を尋ねられると、お二人とも引き締まった表情になりました。
斎藤五段「普段聞けない伊藤君の思考が聞けて良かったと思います。模擬対局で和服を着ましたが、本当に気持ちが引き締まりました。和服での対局が実現できるように、精進していきたいと思います」
伊藤六段「和服を着てみたことで、よりタイトル戦に出たいという気持ちが強くなりました。タイトル戦に出られるように応援よろしくお願いいたします」
お二人の和服の対局姿は今後の将棋界を背負う若者として感慨深いものがありました。
白瀧あゆみ杯決勝の大盤解説者の佐藤天彦九段が登場するなど、サプライズ演出もあり大盛り上がりの二時間半でした。そしてお二人がタイトル戦で和服姿で私達の前に現れることを、願わずにはいられない時間でした。
◆◆◆
イベント「棋士と和服」から一か月経ちました。当時、室谷女流三段が「伊藤六段は竜王戦トーナメントを勝ち上がっています。このまま勝ち続けると、竜王戦を挑戦して和服を着られますね」とおっしゃられていましたが、言葉通り伊藤六段はタイトル挑戦まで駆け抜けました。
竜王戦は若手でもタイトル挑戦を狙えるため「竜王戦ドリーム」と言われていますが、ただ夢を見て駆け抜けていたわけではないと思います。来たるべきタイトル戦のために……和服もその準備だったのではないかと、壇上の姿を仰いだ身としては思うのです。
イベントで着た和服は一着でしたが、竜王戦は七番勝負になります。七色の和服が織りなすタイトル戦、その装いにも物語を読み取っていきたいと思います。
(文・カル 撮影・田中伸幸)
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駒doc.2023秋号(vol.55)
「特集:2023 夏の将棋イベント大特集!」
A5サイズ 16ページ
【目次】
・将棋ことはじめ
・この手だれの手? 第55回 内山あや女流初段
・特集:2023 夏の将棋イベント大特集!
・将棋好きに成りました!
・台湾からの将棋普及レポート・
・プレゼント&アンケート
・サポーターのページ
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(2024冬号サポーターの締切は2023/11/15です)
☆『駒doc.』では読者の皆さまからのご意見ご感想を募集しています。
将棋回文や将棋カップルなど出演のご応募、写真やイラスト付きの投稿も大歓迎です。
info@komadoc.comまで、お待ちしています!
バックナンバーはねこまどホームページの「駒doc.」コーナーに集約して公開しております。
(駒doc.編集部)
(約32MB/2023年7月1日発行・2023年7月27日配信)
特集:研修会ってどんなところ?
将棋ことはじめ 第54回・パワーワードがずらり! 難しそう! でも楽しそう!な、詰将棋用語
この手だれの手?第54回・谷合廣紀四段
他
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【目次】
・将棋ことはじめ
・この手だれの手? 第54回 徳谷合廣紀四段
・特集:世界からの将棋レポート
・将棋好きに成りました!
・プレゼント&アンケート
・サポーターのページ
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(約27MB/2023年4月1日発行・2023年4月26日配信)
特集:世界からのSHOGIレポート
将棋ことはじめ 第53回・棋士は対局で大忙し!「八大タイトル戦」じゃない公式戦“一般棋戦”とは?
この手だれの手?第53回徳田拳士四段
他
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・特集:世界からの将棋レポート
・将棋好きに成りました!
・プレゼント&アンケート
・サポーターのページ
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(約21MB/2023年1月1日発行・2023年1月26日配信)
特集:棋士と揮毫
将棋ことはじめ 第52回・実は最近制度化された、棋士編入試験
この手だれの手?第52回・野原未蘭女流初段
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(約26MB/2022年10月1日発行・2022年10月26日配信)
特集:真夏の祭典!ねこまど将棋まつり
将棋ことはじめ 第51回・その手に気持ちを込めろ!指し手のキャッチボール「ペア将棋」
この手だれの手?第51回・斎藤明日斗五段
他
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将棋回文や将棋カップルなど出演のご応募、写真やイラスト付きの投稿も大歓迎です。
info@komadoc.comまで、お待ちしています!
(駒doc.編集部)
(約27MB/2022年7月1日発行・2022年7月25日配信)
特集:指せる!!将棋スポット
将棋ことはじめ 第50回・今年も始まりました、順位戦!
この手だれの手?第50回・大橋貴洸六段
他
バックナンバーはリニューアルしたねこまどホームページの「駒doc.」コーナーに集約して公開しております。
近くに配布場所がない方、バックナンバーご希望の方はねこまどSHOPまで☆
戸越銀座商店街にある将棋BAR RE:STA(リスタ)に行ってきました!
RE:STAは2021年の9月にオープンしたばかり!
お店はにぎやかな戸越銀座商店街の通りに面したロケーションにありました。
オーナーの石山さんは将棋好きが高じて脱サラし、2021年3月に千葉県にまず「将棋Cafe Re:sta」をオープン。
続いて9月にはここ「将棋BAR RE:STA」の営業をスタートしたそうです。
石山さんは水曜日と日曜日は将棋バーを、土曜日は将棋カフェを一人で切り盛りしています。
テラス席もあります。
活気のある戸越銀座商店街に面しており、商店街でテイクアウトした食事の持ち込みも可!
オーナーおすすめは近くのお店の小籠包だとか。
オーナーの石山さんは大学時代に将棋部に所属。
得意戦法は角交換振り飛車とのこと。
将棋講師の経験もあり、初心者の方への指導も歓迎とのことです。
実際、このお店で初めて将棋を覚えて指せるようになったというお客様もいらっしゃいます。
また、石山さんはかなりの「観る将」でもあるので、棋士についてのトークも盛り上がりました。
平日の午後、のんびりした時間が流れる店内で、ドリンクを飲みつつ将棋を指す。
最高ですね。
今回取材ということで行きましたが、あまりに居心地が良すぎて結局1時間以上滞在してしまいました。
せっかくなら休みを取ってまた来たいです。
こちらドリンクメニューです。
「耀龍ウーロンハイ」「ダイレクトコークハイ」「日本酒システム」「鬼殺し焼酎」「ゴキゲンビール」など将棋ファンならきっと気になる名前のメニューが。
ちなみにオーナーのおすすめは「ジントニック四冠」。これはメニューには載っていないそうです。
ぜひオーダーしてみてください。
店内奥のテーブルスペース。
壁の棚には棋書が並んでいました。
そして60インチTVが2台壁に設置されていますので、将棋番組をパブリックビューイングする楽しみもありますね。
営業時間内なら時間無制限で将棋を指せますし、出入り自由なので、戸越銀座商店街をぶらぶら歩いてお買い物をしたり、食事やおやつをテイクアウトして店内に持ち込んで食べたりできます。
商店街の色々なお店も楽しみつつ、のんびりと将棋を指せる空間。
将棋BAR RE:STAは忙しい日常を忘れてちょっとした別世界体験ができる、そんな場所でした。
〇info
東京都品川区戸越1丁目19-18 (sports cafe bar&shop~Pivote~内)
都営浅草線戸越駅下車 徒歩5分、東急池上線戸越銀座駅下車 徒歩7分、
東急大井町線戸越公園駅下車 徒歩9分
TEL:090-7415-6774
17席
営業時間:
水曜日:12:00-22:00、日曜日:12:00-18:00
料金:
1500円 1ドリンク付き時間無制限(日祝日プラス500円、学生500引き)
親子2500円 2ドリンク付き(平日祝日共通)
お友達と将棋を指しに行き、そのまま一緒にご飯を食べる予定なら、おすすめの場所がありますよ!
美味しい食事を提供してくれて、将棋がたっぷり指せて、ボードゲームも遊べて、オーナー自慢のコーヒーも飲める場所。
新橋駅から徒歩7分の「囲碁将棋喫茶樹林(じゅりん)」です。
2022年5月某日、オーナーの中山佳祐さんにお話を伺いました。
「樹林は飲食できる囲碁将棋カフェとしてオープンし、現在11年目。2019年に現在の場所に移転しました。テーブルや椅子も新調して綺麗ですよ」
壁には大盤もありました。
「お客さんは囲碁ファンと将棋ファン半々くらいの印象です。ボードゲームカフェとしてもご利用いただけます。将棋を指したい場合は1000円+税のプレイ料金をお支払いいただき、お食事かドリンクをワンオーダーいただいて1日ずっと遊べます」
こちらの棚には確かに一日中遊べそうな量のボードゲームが置いてありました。
こちらは店内奥のテーブル席。大きな窓は解放感抜群。
中山さんに樹林の「推しポイント」を伺いました。
「無理に指さなくていい」
「気合を入れず気楽に来てほしい」
「普通にごはん食べにくるお客さんの方が多い」
とのこと。
ランチ時にはご飯だけ食べにくるお客さんがほとんどというのも納得。
お食事はどれも美味しかったです。
取材日当日はランチをいただきました。こちらはデミグラスのオムライス。
そしてこちらはハンバーグ。
肉厚でジューシー、食べ応えも十分でおいしかったです。
こちらはメニューボード。
豊富な食事メニューのおかげで、ランチから来てそのまま夕食も樹林でいただくという充実のプランも有力です。
もちろんドリンクメニューも豊富で、お酒を飲みつつ将棋を指すのが好きな方にもピッタリ!
オーナーお勧めのコーヒーは焙煎したての豆を注文入ってから挽いて、一杯一杯丁寧に手で淹れて提供しているそうです。
将棋を指して疲れた頭には美味しいコーヒーが染み渡ります。
ご飯を食べてから将棋を指すなら。
あるいは将棋を指した後打ち上げに行くなら。
初手「樹林」は将棋ファンにとって有力な定跡になりそうですね!
〇info
東京都港区西新橋1-18-11ル・グラシエルBLDG.16号館2階
JR・東京メトロ新橋駅下車 徒歩7分
TEL:03-3580-1746
34席
営業時間
火-土:11:30-23:30 日祝:11:30-20:00
料金
プレイ料金 1100円(ワンオーダー制)/17時以降チャージ550円
https://jurincafe.jp/
mail: info@jurincafe.jp
@jurin_cafe
全国には様々な将棋を楽しむ場があります。
今回は福岡県の博多駅から電車で25分、春日原駅から徒歩5分の福岡将棋会館をご紹介します!
関口武史指導棋士五段にお話をお伺いしてきました。
当日の様子をお伝えします!
「たくさん指す環境が大事」との言葉通り福岡将棋会館は基本的に毎日開いています。
お伺いしたのは平日夕方。少人数で落ち着いた様子でした。
対局が終わると感想戦も休憩も和やかで、関口先生と子どもたちとの信頼関係が感じられます。
「子どもたちが将棋をやりたい気持ちが一番。
子どもたちが将棋を好きでいてくれることが一番大事なのでアプローチの方法はたくさん持っておきたい。
ノッてる子、強くなりたい子、遊びたい子。
どうすればひとりでも多くの人が笑っていられるかを大切にしたい。
急に大会をしたりもしますよ」
ということで、急に多面指しが始まりました。私も参加させていただきました!
ひとりひとりの棋力に合わせたご指導をされているのがよくわかりました。
自分の順番が回ってくると理解度に合わせて新しい課題が盤上に提示されます。
考えて、指して、学んで、指して、考えて・・・・。
思わず背筋が伸びます。あっという間の時間でした。
会館に来ていた飯塚さんご一家(写真↓)です。
4/30に開催されたシモキタ名人戦に思い立って福岡から飛行機に乗って行ってしまうアクティブな父・雄一郎さん。
最近将棋を始めた母・和代さんとお子さん3人。
将棋好きのご家族です。
中学2年生の諒太郎くんは研修会に入会しており、6年生の結莉さんと4年生の紗英さんに家で将棋を教えてくれているとのこと。
大会に向けて4月、5月は毎日来ているそうです。
詰将棋を解いていた諒太郎くんに声をかけると一緒に写真に入ってくれました!
週末には子どもも大人も大勢訪れ、にぎわっています。
福岡を訪れた際にはぜひ行ってみてください。
●関口 武史 指導棋士五段
日本将棋連盟プロ指導棋士
小林健二九段門下
1993年奨励会入会
2002年奨励会三段
2006年プロ指導棋士四段
2015年プロ指導棋士五段
●福岡将棋会館
住所:〒816-0924 大野城市栄町1丁目3-13「ジーニアス金堂2F」
Tel:092-571-1231
FAX:092-571-1231
営業時間:平日 16:00〜20:00
:土日祝 13:00〜20:00
定休日 木曜日(祝日長期休暇の場合は営業)
HP http://www.csf.ne.jp/~fukuokasyougi/